【オーストラリアン・コメディ】Please like me 【LGBT】

【オーストラリアン・コメディ】Please like me 【LGBT】

ジョシュはクレアから突然の別れを切り出される。理由を聞くジョシュにクレアは返す。「だって、あなたゲイでしょ?」と。

ジョシュにはルームメイトであり、親友のトムがいる。トムの職場で彼の同僚ジェフリーにジョシュは出会う。そして二人はすぐに心惹かれ、一夜を共にし、ジョシュは自分がゲイであることを自覚する。

 

Please like meはオーストラリアのメルボルンを舞台にしたコメディ・ドラマだ。ジョシュ・トーマスが自ら脚本を書き、主演を演じている。

母親の精神的な病気や自殺傾向などのシリアスなテーマにもどこかヒラリアスなトーンでオブラートをかけている。どこまでがフィクションで、どこまでがノン・フィクションなのかはわからないけれど、ジョシュ本人の生々しい体験を通してつくられただろうという印象を受けた。

ジョシュとトムは役の名前ではなく、本名で出演しているし、二人がなにかを率直に伝えたいのだという意思を感じる。

このドラマが魅力的なのはその率直さのおかげだと思う。もちろんドラマはつくりものだから、本当の意味ではノン・フィクションにはなりえない。

でもその大胆なストーリー・ラインのせいか、セリフの言葉選びなのか、演技なのか、はたまた全てがそうなのか、このドラマはとてもリアルな感じがする。

 

このドラマ主要なキャラクターはみんなディスオリエンテッドな感じで、どうすればいいのか、どこに行けばいいのかわからないで迷っている。

ジョシュにしても、新しい自分に出会って、それを幸せに思っていながらも付き合う相手との関係に頭を悩ましている。相手が情熱すぎるからと別れたり、急に思い立って相手との関係を終わらせてしまったり、セルフィッシュにふるまうことが何度もある。

さらに自殺未遂をした母親との関係や、自分の将来に対し心配を寄せる父親との接し方もわからないままでいる。それでもジョシュは彼なりに努力を続ける。いつも明るく、ジョークで相手を笑わせたり、思っていることはなるべく率直に伝えようとしている。

ルーム・メイトのトムは常に女性との関係に悩んでいる。ジョシュと別れたクレアと付き合ったり、浮気をしたり、好きでもない相手と関係を結んだり、コール・ガールを呼んだり、やっぱり怖気づいて隠れたり、女性とうまく関係をつかめないままでいる。トムはトムなりの誠実さで、自分をあらわそうとしてはいるものの、最終的には関係に不具合が生じて終わりを迎える。

クレアは自分の人生でなにをすればいいのかわからないでいる。トムと恋人関係を保ったままドイツへと移住する。そしていつしか二人の関係は終わる。

その後ドイツでの数年の滞在から帰国したクレアは自分の現状に対しトムに不満を言う。クレアは自分がいまどこかにいないということをただ不満に思っていて、そのやりきれない苛立ちや人生への不安に大きな焦りを感じている。

おもしろいのはシリーズ全てが終わってもそういった迷いに対して明確な答えがなにも示されないことだ。迷いはありつつも環境や状況は変わる。それで生活に変化がありつつも本質的になにかが解決されるわけではない。そのような部分がすごく生々しくて共感してしまう。

僕らの生活にしても似たように思える。進学して、学校を卒業して、就職して、結婚したり、転職したり、人生に変化は訪れる。でも本質的な問題はなかなか解決されない。なにが問題か見つけるのも困難であるし、そもそも問題があるのかどうか判断するのも楽ではない。では問題がなにもないのに、それほど幸せな感じがしない。現状を見れば満たされているのに、足りていないものを探してしまう。過去には怒りが溢れているし、未来には不安が待ち構えている。未来の幸せについつい僕らは期待を寄せてしまう。あれがあれば、これがあれば、幸せになれるんじゃないかって思ってしまう。それは間違ってないのかもしれないけれど、目をこらせばもっと近いところにそれはある。今を見つめれば僕らは幸せを感じることができるのではないだろうか。

このドラマを見ながらそう考えました。

 

Please like meは全話NetFlixで見ることができます。

コメントを残す

― Sponsered ―