月別: 2017年9月

美園のラーメン店、彩未に並んでみた。

美園のラーメン店、彩未に並んでみた。

彩未に着くと、店をぐるりとまわる程の人が並んでいた。
僕が到着したのは、11時十分前で、まだ開店前だった。それなのに、この行列はちょっと信じられない。
ちょっと自転車に乗って、ラーメンでも食べに行こうというささやかな気持ちで家を出た。だからこんなに並ぶなんて面倒だ。
迷ってるうちにも、さらに人が並ぶ。とりあえず僕は列に加わることに決めた。考えるのはその後だ。

自転車を停めるスペースが用意されていなかったので、店舗横の隙間に駐輪して、いざ並ぶ。
列を整理する警備員の指示に従って列に並ぶ。
ラーメン屋の列を整理する警備員を、僕ははじめて見た。警備員はフレンドリーな口調で、列を整理していく。
「あとで大変なことになるから、ほらあんた、こっちに並んでな」
みんな彼の流儀に従い、列を整形していった。

まわりのお客さんたちも、開店前にこんなに並ぶなんて、と言葉を漏らしていた。どうやらみんな観光客らしい。
列を待ちながら、観光客同士で話始めた。テレビだか雑誌だかネットの情報だかを見て、みんな遠路はるばるやってきたようだ。

彩未は、美園駅の近くにある。美園駅は東豊線というラインにある。札幌に住んでいる人でも、なかなかこのあたりは訪れない。
そこにこれだけの人を集めるのは、すごいなぁと関心しつつも、並ぶのがどんどん面倒になってきた。
並び始めて30分経っても、進んだのは列の3分の1程度。
家に帰ってインスタントラーメンでも食べようかという気分にもなってきた。
でももうすぐ寒くなるし、そうなると並ぶのはますますの苦行となる。
冬の北海道で外に突っ立っていたら凍えてしまう。
今日は天気もいいし、東豊線に乗って美園になんてこないだろう、と自分を説得して、そのまま列を待つことにした。

しかしこれだけ待たされると、期待してしまう。そしてその期待が裏切られた時のことも考えてしまう。
こんなことが次々に頭に浮かぶ。
信玄や、けやきもなかなかうまいが、これほどは並ばないだろう。
千歳の味の一平の特製味噌も相当うまいよな。
こんなに並んでまで食べる価値があるのか。
もう1時間経ってしまった。
こんなに天気の良い日曜の1時間を、並んで消費してしまったetcetc..

ふと気づくと、僕の並びは店内に入れるまでになっていた。
店内にもイスがあり、もう少し待つ。
店内にはスーツケースを持つお客の姿もあった。遠いところから来ているのだろう。この後家に帰るのだろうか。
この並び時間くらい、なんたってことはない。あの人がラーメンを食べてから家に帰るのには、ゆうに数時間はかかるはずだ。
美園駅から札幌駅へ、札幌駅から新千歳空港へ、そこからどこだかの空港へ行き、また電車だか車だかに乗り家路に着く。そしてそのスーツケースの中身を整理するのだ。
その面倒に比べれば、僕は自転車で10分ほどで家に着き、5分でアフタヌーンティーにありつける。
くだらないことを考えているうちに、列ははけて、僕はカウンター席へと案内された。L字型カウンターの線がちょうど折れるところの席だ。

テーブルの上には、無駄なものがない。調味料はこしょうと一味の2種類だけだ。席について5分ほどでラーメンがきた。
僕が頼んだのは味噌ラーメンだ。
どん、と重厚な味噌ラーメンが僕の前に置かれる。

まずは、中央に乗っているネギをスープへ落とす。
そしてスープを頂く。
スープは、動物系の出汁で、味の濃さがちょうどいい。一口目で食後感の良いラーメンだと分かる。
スープに入っているひき肉がいいアクセントだ。
チャーシューの上に生姜が乗せてあるのだが、これをスープに溶かして飲むのも雰囲気が変わってかなりいい。
次は麺。麺は少しかためで、スープと良くあう縮れ麺だ。麺をすすると、いい感じにスープがついてくる。
麺食って、スープを味わってと交互に食い進める。
大盛りにしとけばよかったかな、と思いながらひたすら食う。
全体の7割程度を食べたあたりで、チャーシューにとりかかる。チャーシューは2種類入っている。
ひとつはひらべったいチャーシューで、もうひとつは四角く切られたチャーシューだ。スープの味と相まってチャーシューいい味を出している。
具をすべて食べたあと、スープがなくなるまでレンゲが器と口を往復した。
予想した通り、食べた後も気持ちが良い。

味噌ラーメン、780円を支払い、店を出た。
まだ外には、店をぐるりとまわるほどの行列があった。
こんなに並ぶ必要がなければ、もっと気軽にこれるのにと思いながら、自転車で帰路についた。

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